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症例のご紹介22

症例のご紹介22

70代 女性

詳細

こちらの方は、現在通院している知人からのご紹介ということで、来院されました。「入れ歯ならここがいいよ」と促されたそうです。
最初に、じっくりこれまで治療の様子や、ご希望などを伺い、口腔内の検査を行った後、治療方針をいくつか選択していただく手順で進めていきました。欠損部分を補う方法としては、義歯(入れ歯)が好ましいことが解り、入れ歯の中で、違和感や噛み応え、審美性(見た目)を考慮したうえで、スマ-トデンチャーとなりました。まず、下顎は歯が抜けたままの状態でありましたので、咬み合わせの位置を確保するためにも仮義歯を製作し、上下が咬み合う基準を作りました。並行して、むし歯や歯周病の治療、止む無く維持することができなかった歯の抜歯などの治療を進めていきました。上顎は、長いブリッジになっていましたが、支える支台歯が破折してしまったため、一部抜歯をして、仮の即時義歯をセットしました。ブリッジは4-7番の11本分を4本の支台歯で支えていたため、負荷が強くかかり過ぎていたため、残念ながら保持させることは難しかったと思われます。これは、噛み合う下の奥歯が既に無かったために、後方の嚙み合わせがなく小臼歯同士のかみ合わせになっていました。噛み合う歯は、弱い方にダメージが先に表れるために、ブリッジが壊れるという経過を辿ったようです。

このように、ブリッジが壊れたり、抜歯を行った場合でも、すぐその日のうちに仮義歯がセットでき、治療中でも、見た目や咬合を確保するために「即時義歯」という治療法を用います。これは、歯を抜く前に印象(入れ歯の型取り)を採り、歯が無くなる状態を想定して事前に入れ歯を製作しておく方法です。(現状では保険制度の制約があるために、一部自費診療になる場合もあります。)治療の途中も安心できる方法として、当院ではこの方法を採用しています。入れ歯を安定させるためにとても大切になる、歯肉の土手の部分は、下顎は細く小さい面積であるため、少し柔軟性があり、耐久性の優れた白金加金を使用しました。一方上顎は、ブリッジから初めての入れ歯に変わりますので、できるだけ違和感が少ない、軽くて薄いチタン床を採用しました。入れ歯でも、特に目につく前歯の部分は、これまでのブリッジの変色も気がかりであったことから、審美性の優れたものに拘りました。前歯の人工歯の色合わせは、シェードガイドという色見本と照らし合わせながら微調整し、歯の形もその方の顔や骨格に合うものを本人の希望を伺いながら選んでいく工程をとりました。完成する前までに、何度か、人工歯を並べる人工歯配列を確認し、チェックしていくことで、納得のいく入れ歯になったと思われます。

今回は、仮義歯を作成しながらの治療となりました。仮義歯のメリットは、仮でもすぐに歯が入るので、見た目が安心であること、そして仮義歯の状態で丁寧に嚙み合わせの調整ができますので、食事も摂れ、最終義歯が入る頃には、お口の中も新しい入れ歯に慣れやすくなってきているため、すぐに入れ歯が良い状態で使い始めることができることです。また、万が一入れ歯の修理でお預かりしなければいけない時には、仮義歯があることでスムーズに対応できることがあります。
現在は、入れ歯治療にご満足いただき、定期的なメンテナンスに通っていただいています。

経過の写真


治療個所 下顎 左下76 右下567 スマート デンチャー(白金加金)
左上123456 右上652 スマート デンチャー(チタン床)
治療期間 5ヶ月(15回の通院)
治療費用 上下合計:約108万円
副作用とリスク 上下の入れ歯のため十分になれるまでに時間がかる場合があります。