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症例のご紹介15

症例のご紹介15

症例15 70代 女性

詳細

こちらの方はネットで当院のサイトをご覧になっていらっしゃいました。
ご来院時に使用していた保険適用の入れ歯は、食事の際に硬いものが食べられず、お口も乾きがちで、食欲が出ないという状態で悩まれていました。お口の渇きは、合わない入れ歯の方に見られる症状で、うまく噛めないため咀嚼の回数が減り、唾液の分泌量が減少していることが影響していると考えられます。既存の義歯の修理も考えましたが、しっかり物が食べられるようにということで、今回は義歯を新製することになりました。お口の状態にぴったりと合った入れ歯にするために、多くの入れ歯の種類の中から製作方法と素材について一緒に考えて頂きました。上顎は薄くて軽い特性のあるチタン床の総義歯、下顎は痛みが出にくく、当りが柔らかい、白金加金を用いた見た目も目立たないノンクラスプデンチャーを選択しました。

お口の中の状態は一人ひとり違うため、素材はもちろんのこと製作工程で、しっかり噛める入れ歯になるかどうか左右します。例えば、頬や唇の裏の粘膜、小帯の粘膜(歯ぐきと、口唇または舌の間についている薄い「すじ」または「おび状」のようなもの)は非常に複雑な個人差があります。そこに上手にトレースした形式にすることが、入れた時のフィット感に影響します。加えて、頬の筋肉が強すぎると上顎の入れ歯が落ちることがあるため、これを避けるような形状にし、精密な型取りが必要になってきます。当院では、その型取りに手間がかかっても拘りの手法を用いています。まず、大まかな型取りのために既成の器を使い、これを元に模型を作成します。その模型を元に今度は、その方専用の個人トレーを作成し、これで精密にお口の形状や動きに合わせた型取りを行います。また、ワックスを用いて型の縁取りもしていきます。このような「筋圧形成」という工程を丁寧に行うことで、お口の中を忠実に再現していきます。

なおかつ、古い義歯による歯ぐきへの圧迫を避けた状態で(ふわっとした状態)で型取りを行うために、前日から、できるだけ入れ歯は外しておいて頂きます。当日は朝ごはんを食べてから来院までは、義歯を外しておいて、時間を空けて精密な型取りを行います。型を取るための材料は、歯ぐきに圧がかからない流動性の高いシリコン印象材を用い、型取り中の抑え方にも細心の注意をはらっております。このように、材料や設計の良さだけでなく、実際の製作の工程が良し悪しを決めるために、あじき歯科医院の義歯治療は、他院より若干時間がかかるかもしれません。しかし、そのひと手間が、後々の入れ歯の満足度に大きく関わってくるのです。

経過の写真


症例のご紹介15

治療 上顎:総義歯
下顎:右下、左下
治療費用 上顎:約32万(税込)
下顎:60万(税込)
副作用とリスク 慣れるまで口腔内で異物感を感じることがあります。