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症例のご紹介13

症例のご紹介13

W様 70代 女性

詳細

こちらの方は開業当初から通院されていた古くからの患者さんです。
久しぶりにいらした際に、左上1番に腫れがあり、ぐらぐらと動揺しており、痛みも出てきているので治して欲しいという内容でした。前歯は、1~4番までの連なったブリッジが入ってましたが、残念ながら歯周病、二次むし歯の進行などで、複合的にどうしてもたせることが困難であったため、1番の歯を抜歯をすることになりました。更に延長したブリッジで治療することも可能ではありましたが、支える歯にかかる負担が大きくなり過ぎることから、先々のことを考え部分義歯(入れ歯)の治療となりました。抜歯をし、ブリッジを外すことで前歯が一時的に無くなることを防ぐために、即時義歯という方法で、歯を抜く前の状態で型を取り、歯がない状態を想定して先に義歯を製作しておくという方法を採用しました。歯を抜いた部分は、時間が経過すると歯ぐきが下がってしまい、安定してくるまでに2-4か月くらいかかることがあります。ゆえに、安定した状態になってから型を取って入れ歯を製作するという方法が確実性が増します。しかし、これですと歯がない期間ができてしまう欠点があります。

のちのち抜いたところの歯ぐきが下がってできる隙間を想定しておき、後でそこへ特殊プラスティックを流しこんで密着させることができる義歯「スマートデンチャー」の採用となりました。その数か月後に右上7番の歯の歯根破折(歯の根が割れてしまっている状態、弱っている状態に強い力がかかると歯根は割れることがあります)この奥歯は5~7番のブリッジが入っていましたので、5と6の間で切断し、7番を抜歯、67に部分義歯を入れることになりました。この2本欠損部分を入れ歯にするためには、先に左上の金属床義歯が入っていましたので、構造上どうしても2つの入れ歯が重なってしまうことがわかりました。一般的には、1つの大きな入れ歯として最初から作り直すのが一般的でありますが、別々の2つの入れ歯が安定して使用できるように特殊な加工を行いました。入れ歯を支える金属床の重なりの部分の段差を無くすために、金属同士の段差を厚さの0.4ミリ削り、のりしろを乗せるような設計としました。これは、金属の素材が白金加金の弾性のある特徴が生かされたもので、熟練の技工士と何度もセッションをしてきたことで実現できたものです。

経過の写真


症例のご紹介13

治療個所 左上、右上
治療費用 左上:約40万円(税別)
右上:約38万円(税別)
副作用とリスク 慣れるまで口腔内で異物感を感じることがあります。