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症例のご紹介4

症例のご紹介4

A様 40代 女性

詳細

こちらの方は、安喰歯科医院の近くに引っ越してきたことで、来院されました。
ホームページで義歯(入れ歯)が得意そうな歯医者さんを探されたそうです。来院時のご要望は、歯が抜けてしまった前歯のところの治療と、以前他院で作製した入れ歯の作り直しでした。視診のほか、レントゲン検査、歯周病検査を行ったところ、歯周病が進行しており現在残っている歯の中でも、一部は保存するのが困難な状態であることが解りました。ぐらぐらと抜けそうな状態のままにしておくことで、咬合の妨げになったり、入れ歯の設計に悪影響を及ぼす可能性があります。出来るだけ丁寧に現状と今後の見通しをご説明させて頂き、結果的に奥歯を2本だけ抜歯をして、しっかりと噛める入れ歯を製作する治療法となりました。

安喰歯科医院では、特に義歯治療の場合は、インフォームドコンセント(説明と同意)をとても大切にしています。歯を残すために最善を尽くすわけですから、歯を抜くというのは苦渋の選択になる場合が多いです。一度抜いた歯は生えてくることはありませんので、慎重にならざるを得ません。当院では一緒に治療計画を考えて頂くような「参加型歯科診療」を心がけていますので、その後の治療がとてもスムーズに進むのも特徴かもしれません。

そして大切なことは、残っているご自身の歯を今後もしっかり維持、管理していくことになります。全体的に歯周病が進行したことから、入れ歯の治療だけでは解決しませんので、「薬で治す歯周病治療」歯周内科治療から入りました。歯周内科治療は、原因である菌を顕微鏡とDNA検査により特定し、薬でその菌を退治するものです。抗生物質を服用し、真菌というカビの一種も除菌する薬剤で歯磨きをします。併せて、歯ぐきの歯周ポケットの中の歯垢や歯石、細菌を徹底的に除去します。更に、継続的に専用の歯磨剤で歯ブラシをしていくことになります。歯周病菌が除菌され、歯ぐきの状態も安定してきたことを確認した上で、型取りをして入れ歯の製作にかかります。

今回は、見た目が綺麗で、固いものをしっかり噛める入れ歯というご要望でしたので、いくつかの選択肢の中で一緒に選んで頂きました。一つはスマートデンチャーというノンメタルクラスプメタルデンチャーで一般的な審美性に優れた部分義歯で、垂直方向に取り外すタイプです。もう一つは今回採用したミラクルデンチャーです。こちらは、歯周病があり、残っている自身の歯にできるだけ負担を掛けないようにする場合に採用するケースが多いもので、垂直でなはく斜め方向から取り外しをする外れにくいタイプです。噛み合わせとしても、下の前歯が上の前歯を突き上げて歯周病を悪化させてしまうことがないように、こちらを採用した大きな理由の一つでした。ミラクルデンチャーは、一般的な義歯のように支える歯の上の部分にフックを掛けるのではなく、根元を押さえ、負担のかからない程度の「面」で根本を押さえ支える構造になっています。歯周病のため残った歯には最も負担が少ない治療法の一つです。

経過の写真


治療期間 上顎:約1ヵ月(約3回の通院)
治療費用 上顎:約40万円
副作用とリスク 慣れるまで口腔内で異物感を感じることがあります。
金属を使用している場合は稀に金属アレルギーに影響することがあります。